九州ツーリング ~3日目~  九酔渓
私は知らなかった。
大分県九重町の観光情報には、以下のように記載されていることを…

玖珠川流域の両岸約2キロにわたって断崖絶壁が直立にそそり立つ「九酔渓」。
ヘアピンカーブの連続するこの渓谷は、別名「十三曲がり」と呼ばれる新緑と紅葉の名所。
モミやツガ、カツラなどの原生林は四季折々に様々な姿を見せてくれます。
とりわけ紅葉シーズンには多くの観光客が訪れ、渓谷を見下ろす峠の展望台からの眺望は、渓谷とマッチして格別な趣があります。


ヘアピンカーブ!!  「十三曲がり」!!


知っていれば、迷わず違う宿に決めていたでしょう。
九酔渓にある「渓谷の宿 二匹の鬼」を選んだ理由は、じゃらんでレビューが良かったことと、離れにあるお部屋に露天風呂がついていたからです。プライベートでのんびりくつろげそうな雰囲気に引かれ…

大観峰を出て一路宿に向かうつもりでしたが、偶然にも「草千里」という、阿蘇に来たなら寄らなきゃ!とも言うべき観光ポイントに通りかかったのです。九州のツーリングマップルやガイドブック、旅行パンフレットなどでは表紙に使われている有名な草千里は、烏帽子岳中腹に広がる直径約1kmの草原です。

バイクを向かいのレストハウスに停め、草原を歩いてみます。
阿蘇五岳のひとつ烏帽子岳を、草原の中から一枚撮りました。
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夕暮れ時の、郷愁を感じさせる光に映えて、いい写真です。

この後、11号(やまなみハイウェイ)を北上し、2日目の宿「三愛高原ホテル」のあった「瀬の本」の交差点を通り過ぎてすぐの40号に左折する予定だったのです。そのまま40号を北上すれば、おそらく18時半には九酔渓にたどりつくはずでした。

ところがですね、お暇な方は地図をご覧いただければ分かりやすいのですが、瀬の本に着く5、6km手前に、40号へ左折する道があるんです!!
この「ニセの40号」は前者の40号とはまったく別物で、まんまとだまされました!!!

あっさり間違えてニセの方へ左折してしまい、北上しているつもりが北西へ、北西へと連れて行かれたのです。初めての土地で間違いに気づくはずもなく、後で聞いたら旦那も
「北上しているから、合ってるやろう」 と、のんびり走り続けたのです。

おかしい、時間的におかしい。だいぶ走ったのにまだ着かない。
おかしい、絶対におかしい!
と地図を見直す(旦那が先導者。私はついて行くだけの人です)。
旦那の口から、不吉な発言が…!
「残念やけど、だいぶ遠いところまで来てしまってる…戻らなアカン。宿に着くのは19時過ぎるかもね」

この時点での私の気持ちは、
「疲労限界…。でも、行くしかない。19時過ぎなら、お宿の人も待ってくれるかな?」

北西へ進んでしまっていたため、宿へは南からアクセスする予定を、北からのアクセスに変更。この選択が、運命の選択とも知らずに…

この地図の、オレンジのスターアイコンが、お宿です。
北(左)からの道と、南(右)からの道の難易度が、
ぜんぜんちがうでしょう?
北からのルートは、まさに地獄の「十三曲がり」!!

道を引き返した時点で、日は暮れかけていました。当然、宿にたどり着く前に
辺りは真っ暗
地図では分かりませんが、ここは渓谷=山道なので、
ヘルメットや服にビシ!バシ!虫が当たります。その上街灯もなく真の暗闇。
ハイビームで時々照らして前方を確認しながら、ゆっくり進みます。
道は、恐れていた上り坂に突入。夜のヘアピンカーブ、バイクで経験された方ならお分かりいただけると思いますが、せっかくのライトもカーブが急すぎて
曲がった先を照らせないんです!
目が見えない状態で急な坂道を、初心者の私がバイクで登る!?
自殺行為だ~!!!

一度、左への急カーブを曲がりきれずに、対向車線ど真ん中にストップ。
自力でなんとか脱出しなければ、誰も助けてはくれません。
上から車が下りてきたらどうしよう!!
引かれる!
と恐怖に震えながら、なんとか発進してルートへ復帰。
つくづく、自分の運の強さを感じました。私のバイクライフ、すべての「無事」は、
「ラッキー」の連続だったような気がする…。

行けども行けども宿はないし、こんなものすごい山の上に宿があるとは思えず、
坂の途中で止まり二人で話し合いました。

まず、ライダー暦13年の旦那が一人で山を上っていき、上に宿がないか見てきてくれることに。
→結果、「なかった」

続いて、旦那が一人で一旦山を下り、付近や周辺を廻って宿を探してきてくれる、とのことに。
→私は一人、完全なる暗闇の山の中腹に、バイクのエンジンも切って取り残され…待つこと、30分ぐらい…不安で不安で仕方がなかった。
なんと、携帯の電波もつながらない山奥。

時刻は19:40。待つ間に、地元民なのか何台かの車が、すごいスピードでカーブを上がってゆく。
心細さが頂点に達した頃、ようやく旦那が戻ってきた。
ところが、期待とは裏腹に「宿が見つからない」という。

どうしよう?まさか、この虫だらけの真っ暗闇に野宿!?
ちょうどそのとき。
神様が、私たちをかわいそうに思って天の使いをよこしてくださった。
上から降りてきた車が、私たちを見て驚いて止まってくれたのだ。
「こんな真っ暗闇で停車しているバイク。何かあったのでは?」
と思ってくれたのだろう。
「どうしたんですか?大丈夫ですか?」
と声をかけてくれたドライバーは女性の声だった(暗くて顔も見えない)。
旦那が答える。
「実は、道に迷ってしまって…。『二匹の鬼』という宿を探してるんですけど…」
すると、意外な答え。
「ああ、『二匹の鬼』なら、このままこの坂を上っていけば、上にありますよ。」

なんですって~ よかった~ 
ホッとしすぎて、「上はさっき旦那が見に行って、『無かった』と言ったけど?」
という疑問が頭から消えていた。
とにかく、上に行けばあるなら、行くしかない。怖くて怖くて、どんなすごいカーブや上り坂が現れるかとびくびくだけど!

勇気を出して上りました~ ありました!お宿
足が震えて半泣き、食事どころではありませんでした!
でも食べているうちに落ち着きを取り戻しました。

お宿のお食事処正面です。
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旦那は部屋の露天とか楽しんでいましたが、私は肉体疲労と恐怖で疲れきってボロ雑巾、シャワーだけ浴びてバタンキュー。

続く
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by rikou0701 | 2009-09-30 11:35 | ツーリング

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