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私の好きな絵 PART2
こんにちは、伯父の額縁屋「利幸商店」を紹介しつつ、大好きな画家エドワード・バーン=ジョーンズ の絵も紹介している、リコリコと申します。

「欺かれたマーリン」
"The Beguiling of Merlin"


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アーサー王の守護者にして魔法使い、予言者であるマーリンが、ニミュエという美しい湖の乙女に魔法をかけられる場面。
(マーリンって、絵の左の男性だったのですね。名前から、てっきり女性だと思ってました)

ニミュエという名前は、フランスやイギリスの物語で様々に呼ばれていて、ヴィヴィアンやヴィヴィアンヌという呼び方をされることもある。

マーリンは『ブリセリアンドの森』で美しい妖精の娘、ニミュエと出会い、彼女に心を奪われてしまう。
そして彼女の求めに応じて自分の知る魔法を教えていくが、ある日ニミュエは自分たちのための誰にも邪魔をされない住処を魔法で作りたいと彼に言い、そしてマーリンがそれを作るのではなく、やり方を教えてもらって自分で作るようにしむけた。
そして、マーリンがブリセリアンドの森の、花の咲き乱れる白いばらの茂みで眠り込んでいるときに、ヴィヴィアンは頭に巻いていた頭巾で彼の周りに9度、輪を作り、彼に教えてもらった魔法を読み上げた。するといばらが伸びて彼を包み、自らの編み出した堅固な塔に閉じこめられた。
魔法を解くことが出来るのは魔法をかけたニミュエだけであり、その後マーリンは彼女の作った塔から出ることは出来ず、アーサー王の物語から姿を消す。
ニミュエだけが時折その塔を訪れたという。

画面でマーリンは力無く白いばらにもたれかかり、ニミュエは魔法を記した書物を広げている。
ブリセリアンドの森の美しさを示すように背景には白い花、手前には野の花が描かれている。
横たわるマーリンと立ち尽くすニミュエ、下から斜めに見上げるマーリンと上から斜めに見下ろすニミュエの視線という、二重の構図が生み出す緊張感が見事。
by rikou0701 | 2009-05-25 21:46 | バーン・ジョーンズ

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by rikou0701